利用する取引所の手数料を把握する
仮想通貨の取引には基本的に取引所を相手方とした売買と、市場による売買とがありますが、売買には他の投資商品と同様に手数料がかかります。
特に取引所を相手方とした売買の場合、購入金額と売却金額に大きな差がある場合も少なくありませんから、買ってすぐに売却した場合であっても、多くの場合差額分だけ損をすることになります。
長期保有を前提とした場合、手数料はそう大きな問題ではないかもしれませんが、頻繁に取引を行う場合、無視することができない重要な問題になってきます。
レバレッジに頼らず自分に合った投資方針
レバレッジ取引を行う場合は自然と売買額が大きくなってしまいがちで、ポジションと反対方向に値が動いた時の損失が予想以上に大きくなることがあります。
方針としては大雑把に言えば短期売買により小さな利益を積み重ねるか、長期保有で将来の値上がりを夢見るか、の2択になります。
長期保有の場合、最悪無くなっても問題ない程度の資金で購入し、後は放置する、というのが基本です。
購入した後の値動きが気になって仕方ない、という方は長期保有には向いていません。
2018年以前の例をみると、ある程度買って放置、というスタイルが正解だったことは言うまでもないのですが、今後もそれが通用するという保証はありません。
買って放置という戦略には少し面白みに欠ける面もありますが、完全に放置なのか買い増すか、買い増すならどのように(例えばドルコスト平均法など)するか、どの時点で売却するか…といったことを考えておく必要があります。
一方、短期売買で取引回数を増やす場合、時には損切りをしなければならないこともありますし、値動きに長時間集中する必要があり、疲労が蓄積していきます。
売った瞬間に値上がりしたりその逆だったり…と短期的な損失が確定しまうリスクが生じる一方で、短期的に大きな収益を上げることができる可能性もあります。
ただし短期売買であればそもそも仮想通貨にこだわる必然性もなく、FXや株式の信用取引でもよいのでは、となってしまいがちかもしれません。
いずれにしてもよく考えて、自分に合った投資スタイルを確立して実践することが重要です。
取引を行うこと自体が大事なのではなく、収益を上げることが目的であることを忘れてはいけません。
取引スタイルの検討
長期投資であれば基本的には安くなったと判断した時に買うだけなので取引自体は難しくはありません。
短期投資の場合、値動きのチェックから分析、予想、購入、売却といったサイクルを高い頻度で繰り返す必要があります。
株式市場と異なり24時間動いている仮想通貨市場で文字通り一日中端末の前に張り付いて作業を続けることは、一人の人間にできることではありません。
また、値動きについてトレンドが上昇か下落か、短期的に反発しそうか、どこで反対売買を行うかなど、これらを瞬時に判断しながら予想と発注を続け、予想に反して損失を確定しなければいけないことがあっても勝敗にこだわらずに黙々と次の取引を続けることは、簡単なことではありません。
もし仮想通貨取引に本気で取り組みたいと考えるのであれば、疲労の蓄積や単純作業の繰り返しによる人為的なミスを防ぐためにも、便利なツールを使ったり、ほぼ全ての取引をツールに任せたり、といった方法も検討すべきです。
ただし自動取引ツールを使った場合、機械的に注文が執行されていくことで注文にあたってあれこれ悩んだり人為的なミスがなくなる反面、想定外の事態に即座に対応できないリスクがあります。いずれにせよ、大事な資産を運用するという心構えで慎重に検討を行うことが大切です。
勝率を取るか一撃の重みを取るか
大きく分ければ戦略は「大きい取引で大きく勝つ」か、「小さい利益を重ねてトータルで勝つ」のいずれかになります。
大きく何度も勝つができたら理想かもしれませんが、狙ってできるものではありません。
リスクから見れば、一定のルールに基づいて小さい利益を重ねていく方が現実的です。勝率が安定して期待収支が見えていれば、多少の負けは何でもありません。
大きく勝とうとした場合、欲に負けて取り返せないレベルの損失を生み出すリスクがあります。確かに過去の大相場を見ると、結果的に最初から最後まで持っていた方が利益が大きかったのではないか、と思えるケースはいくつもあります。
問題はどこが最後か、というのを相場中に判断できるか否かというところにあります。2017年末にビットコインの存在を知って200万円台で買い煽られた人たちの中には「またずぐ上がるはず」、という期待が込められた声にすがってずるずる損失を大きくしてしまった人も多いでしょう。
いずれにせよ、周囲の声に流されるのではなく、自分で相場を分析し、自信と責任を持って取り組むことが何より重要です。
自分の考えであれば失敗しても反省材料になりますが、周りの声に惑わされての損失を「授業料」というのはむなしさしか残りません。
仮想通貨で利益を得る方法
単純には上記のように取引で利益を得ることが基本ではありますが、それ以外に利益を得る方法がいくつかあります。
例えば株式には配当金がり、為替FXにもスワップがあります。
仮想通貨にも取引所によっては保有している仮想通貨を一定期間預け入れることによって利息が得られたりするサービスが存在します。
また、ある仮想通貨が分裂する際に新しい仮想通貨が付与されたりする場合もあります。
これらは全て長期保有に対する動機づけとなるものですが、このような副産物に期待するあまり手放し時を逃してしまうようではいけません。
あくまでもらえたらラッキーくらいのスタンスで臨むのが良いでしょう。
キャンペーンによってビットコインがもらえたりすることもありため見逃さないようにしたいものですが、きわめて微々たるものなので、あまりに熱中してしまっては本来の目的を見失ってしまうかもしれません。
それ以外にも応用的な方法はいくつかありますので、別の項で紹介します。