b. ツール作成の準備
VBAを少しかじる
VBAとはVisual Basic for Applicationsの略語で、Microsoft Officeに付属しているプログラミング言語です。
エクセルを毎日のように使用しているのにVBAを知らないという人は、VBAを覚えることで作業時間を大幅に削減できる可能性があります。
ここから先はVBAの初心者以上であることを前提として説明していきますので、VBAを全く使ったことがない場合は少しだけ勉強してからこの先を読んだ方がよいかもしれません。
当サイトのサンプルコードを追ってみるのも、VBAの良い練習になるかと思います。
R1C1参照形式を使用する(エクセルの設定)
エクセルのシート上でセルの位置を特定するための表現形式にA1参照形式とR1C1参照形式があります。
例えば上から3行目、左から2列目のセルはA1参照形式では「B3」となります。
そして「B3」のセルはR1C1参照形式では「R3C2」と、行(Row)と列(Column)の座標で表されます。
なぜR1C1参照形式をすすめるかというと、VBAを使ってエクセルを操作する際にはセルの位置を座標のオフセットで指定することが多く、その時に列がアルファベット表記だと実際の位置が分かりにくいからです。
たとえば、7列と20列との距離は13とすぐ分かりますが、G列とT列との距離と言われてもは即座には分からないと思います。
R1C1参照形式を使用するには「ファイル」タブから→「オプション」→「数式」の順にたどり、「数式の処理」の中の「R1C1参照形式を使用する」チェックボックスにチェックを入れ、「OK」をクリックします。
※ちなみに、R1C1参照形式が常に優れているというわけではなく、問題点も存在します。具体的には行や列全体を示す絶対参照をVBAから出力したい場合にうまく指定できない点(参考)です。このようなときはA1参照形式を使った方がよいでしょう。
外為オプションの口座を用意する
自動取引ツールの作成に必要な機能の実現方法について、GMOクリック証券の提供する外為オプションを例に見ていきます。
ここからは、外為オプション口座を持っていることを前提として説明します。
絶対に必要なわけではありませんが、口座をお持ちでない場合は口座開設を先に済ませておいた方が分かりやすいでしょう。
もちろん、基本的な方法を覚えれば外為オプションに限らずほぼ全てのサービスで自動売買が可能なプログラムを自分で作ることが可能です。
ただし、外為オプションを取り上げる理由は自動取引ツールの作成にあたってプログラミング技術を紹介する題材として適していると考えられるという主観的事実のみであり、外為オプションにおいて自動取引ツールを使用した取引は認められていないという見解が有力という説もありますので、予めご了承ください。