ExcelVBAではじめるバイナリーオプション自動取引

3. 自動取引について

b. 新しいBOと自動取引


途中売却ありというルールへの対応を考える

 従来の外為オプションのように一日200回以上、一回あたり10分、上か下かの2択、倍率は購入時に決定というルールの下ではバックテストがしやすく、勝敗予測も容易であり、シンプルな機能のみを搭載した自動取引ツールでも比較的勝負になった状況であったといえます。

 バイナリーオプションの取扱業者・サービス紹介 〜 2013年12月版に書いたとおり、2013年12月以降、GMOクリック証券を含め国内主要4社のバイナリーオプションは一日約10回、一回当たり2〜3時間、途中売却ありというほぼ共通の取引ルールで開催されています。

 現状のバイナリーオプションに対応した自動売買ツールを作ることは容易ではありません。

 まず、『買って完結』という純粋な2択に持ち込める取引回数が少なく、1回あたりの取引時間が長いことが大きな問題です。

 2〜3時間後の予測が安定して60%以上で的中するならそこまでの問題ではないかもしれませんが、1日最大10回程度のチャンスのうち、購入できる条件を満たす回は当然かなり少なくなるはずです。

 少ない回数で勝負しようとすれば一回当たりの購入単位数が大きくなり、一日単位での勝率は安定しにくくなります。

 また、途中売却ありきの取引システムも複雑です。

 取引回数を稼ごうとすれば、途中購入、売却を駆使する必要がありますが、頻繁に変わる倍率を考慮して売却してプラスになるタイミングを見計らうのは難しく、より複雑な計算、判断が必要になります。

 リアルタイムに売却時の倍率を取得することは可能ではありますが、なかなか実現しづらい機能と言えるでしょう。

 実際問題、そのような慌ただしい売買であるならば実質的に通常のFX取引と変わりありません。

 そして普通のFXならば、より信頼性の高いシステムトレードツールを利用することができる以上、そちらを選択し、使いこなすことに力を注ぐ方が賢明でしょう。

 海外バイナリーオプションを利用するという方法も従来の2択タイプに持ち込むという目的から考えるとスマートですが、手数料等、必ずしも有利とは言えない面も無視はできません(もちろん有利な面も多々ありますが)。

 そうすると、不本意ではありますが、現状ではこの状況下で無理にバイナリーオプションの自動取引にこだわる必要がないという結論が有力になりそうです。

 無論、途中売却をうまく使って確実に利益が見込めるようなシグナル、手法を開発できたとすれば話は別ですが、今のところ、かつての外為オプションのようにシンプルに上下の的中率と倍率から長期的な勝ちが見込める状況ではなさそうに思います。

 それでもあえて取り組むとすれば、堅そうな低倍率チケットを狙ってコツコツと薄利を積み重ねる手法でしょうか。気が遠くなりそうではありますが、そのような作業にこそツールを使うのが有効かもしれません。

 低倍率と言えば、外為オプションで選択可能なレンジアウトですが、低倍率の割に狙いにくい印象。逆に、高倍率でハイリターンを狙いたいのならば、レンジインがよいでしょう。

 いずれのタイプも満期時間の長さがネックではありますが、これらを含めた戦略を練って臨機応変に対応することが、今後バイナリーオプションで勝ち残るために必要なスキルになるでしょう。日々勉強ですね。

2014年1月19日 管理人